【比較】レーシック手術とPRK手術の違いとは?

2021年3月5日

これまでにも何度かレーシックやICLなどの、近視矯正手術に関する話題について紹介しました。

 

少し前に、私自身がPRK手術(レーシックとよく似た手術)を受けました。私の体験談をもとに、近視矯正手術の話をしていきたいと思います。

 

今回は、レーシックとPRKの違いについて紹介します。実際にレーシックやPRKを検討している方は、是非ご覧下さい。

 

また、PRK手術の体験談も書いていますので、こちらもご覧下さい。

 

PRKとレーシックの違い

いずれも、エキシマレーザーと呼ばれるレーザーで角膜を切除することにより屈折を変えて、近視や遠視、乱視を矯正します。

 

大きな違いは、フラップと呼ばれる蓋を作成するかしないかです。フラップを作るタイプがレーシック、フラップを作らないタイプや角膜上皮のみをフラップとする場合は、PRK(ラゼックやエピレーシックもPRKの一種)となります。

レーシック

レーシックは、レーザー機器(フェムトセカンドレーザー)もしくは、マイクロケラトームと呼ばれる眼球用カンナで角膜の表面を薄くスライスし、フラップ(ふた状のもの)を作り、めくります。表出した角膜実質層にエキシマレーザーを照射し、一部を削ります。その後、フラップを元の状態に戻すと、フラップが自然に吸着します。ただ、フラップは完全には引っ付きません。稀に、衝撃でシワが入ったり、ずれたりすることがあります。

※手術の様子のYouTube動画も添付しております。サムネイルが目のアップになっています。苦手な方はご注意下さい。

フェムトセカンドレーザーを用いたレーシック

マイクロケラトームを用いたレーシック

実際の手術の動画はクリニックは日本語だとあまりヒットしないです。一方、外国のものはよく見つかります。受けてみたい方は是非参考にして下さい。

 

PRK

角膜上皮をエキシマレーザー、ブラシを使って処理したり、アルコールなどの薬品でふやかしたり(ラゼック)、カンナで剥がしたり(エピレーシック)して除去します。そして、上皮の下にあるボーマン膜と角膜実質層にエキシマレーザーを照射します。その後、角膜上皮が再生するまで、保護用コンタクトレンズを装着します。3日から7日で取り外します。

フラップを作らない分、角膜の強度が高かったり、強度の近視でも矯正できるなどのメリットがあります。

ラゼック

 

PRK{EBK(Epi-Bowman Keratectomy)}

 

Trans Epithelial PRK

見え方、視力回復の早さ

レーシックは手術の翌日からよく見えます。視力2.0まで見えることもあります。「朝起きると世界が変わっている」と、よく言われています。多少の視力の変動はありますが、安定は早いです。

 

 

一方、PRK手術の場合は、視力の立ち上がりはゆっくりです。1週間ほどである程度は近くも遠くも見えるようになります。ただ、視力の変動はしばらく続きます。3ヶ月から1年で視力は安定します

 

かなり個人差があるようで、私の場合は翌日に2.0まで見えました。ただ、何となくブレたような見え方で、2.0という実感は薄いです。1ヶ月ほど経てば、ぼやけた感じはだいぶ減り、すっきりとした見え方になります。

 

2.0以上の視力のに関しては、年齢やライフスタイルによって、そこまで矯正しないことも多いです。詳しくは、下記の記事をご覧下さい。

痛み

レーシックは痛みが比較的少ないです。

体験談などを見ても、ごろごろした感じはあっても、強い痛みでないということが多いです。また、翌日には痛みは引くことがほとんどです。

 

 

しかし、PRKは強い痛みが出ることがあります。

 

術式、医師の腕前、体質などによって痛みの強さが左右されるようです。

 

尚、Amoils PRKと呼ばれる、電動ブラシを用いて上皮を除去するタイプのPRKは比較的痛みが少ないとされています。(参照サイトhttps://www.c-e-c.or.jp/contents/prk/)

 

私が受けたのは、Amoils PRKです。確かに、術後の痛みはあまり感じませんでした。

 

ただ、翌日から2日後にかけて、滲みるような痛みが出ます。角膜上皮が再生し始めるのに伴って痛みが出るようです。「タマネギを切った時の痛み」と表現されることも多いです。私自身の感想としては、痛みというよりは、目の異物感と涙が止まらない状態でした。

 

ただ、3日後では、ほぼ痛みは治まります。そこからは、視力も向上していきます。 

仕事はいつから?

レーシック

翌日の検査後から大丈夫だとする眼科が多いです。

フラップに問題が無ければ、医師に止められることはないと思います。

多少近くが見辛くなる場合はあるようですが、数日で落ち着くことがほとんどです。

 

PRK

3日後以降が無難です。それまでは痛みがありますし、近くの見え方も微妙です。私は2日後にパソコンを使おうとしましたが、涙が止まらず、敢えなく断念しました。不思議なことに、3日後にはほぼ普段通りにパソコンを使うことができました。ただ、できれば4日後ぐらいまではじっとしておきたいところです。

保護用コンタクトレンズを外す頃になれば、目薬を頻繁にさすこと以外は、ほぼ普段と変わらない生活になります。

リスク

レーシックでは、フラップ作成時に穴が空いたり、切れてしまうことが稀にあります。また、DLKと呼ばれるフラップ下に炎症が生じることがあります。

 

フラップがある程度安定してからも、完全にはくっつかないため、強い衝撃を受けるとズレる恐れがあります。

 

PRKでは、フラップによるトラブルはありません。ただ、角膜上皮下混濁(ヘイズ)を起こすことがあります。紫外線が当たることで混濁します。マイトマイシンCという薬を術後に塗布することにより、ある程度の予防が可能です。また、術後の点眼や紫外線対策を怠らなければ、心配する必要はありません。

 

レーシックとPRK共通で、削ったことで強度が低下して、角膜が突出する、角膜拡張症(医原性円錐角膜、ケラトエクタジアともいわれる)のリスクがあります。ただ、古い統計でも、レーシックでは2500件に一件、PRKでは50000件に一件とされており、最近は角膜を厚く残すことが多いため、現在ではその心配はほぼ無いと言えます。

[250μm以上の角膜ベット(手付かず状態の角膜)を残せば良いとされていますが、最近では余裕を持って300μm以上残す場合が多いです。]

レーシックとPRK、どちらが良い?

レーシックは、痛みが少なく、視力の回復も早く、ヘイズ(上皮下混濁)が起こらないなどのメリットがあります。ただ、ドライアイが3から6ヶ月ほど続く場合が多いです。元々ドライアイがある場合は、注意が必要です。

 

一方、PRK手術は、フラップがない分、手付かずの角膜を厚く残すことができ、強度が高いです。そのため、近視や遠視、乱視の度数が強かったり、角膜が薄い人でも受けることが可能です。また、ドライアイになりにくいです。実際に、目が乾くといった症状はほとんど感じませんでした。2週間ほどは寝起きに目に違和感を感じることがありましたが、次第にそういった違和感もなくなります。

 

私としては、紫外線対策ができるなら、PRK手術がおすすめです。フラップによるトラブルがなく、角膜の強度も高く、ドライアイも少ないからです。

翌日から仕事に行かなければならない、とか、翌日からよく見えていなければならない、という方は、レーシックがおすすめです。

最終的には、ライフスタイルに合った術式を選ぶと良いと思います。

いずれにせよ、3ヶ月後の視力は、1.0以上出るようになります。

 

まとめ

今回は、レーシックとPRKの違いについて紹介しました。

 

近視の人は近年増えており、屈折矯正手術は今後も注目されると思います。ただ、一方で、リスクもあることを理解しておく必要があります。

 

私自身、レーシックとPRKにあまり良い印象を持っていませんでしたが、ネットで調べたり、眼科の先生に話を聞いたりして、受けてみようと思いました。そして、PRK手術を受けた結果、非常に快適な生活を送れているので、本当に受けて良かったと思います。この記事や今後書く記事で、屈折矯正手術を検討している人の助けになれれば良いなと思います。

 

屈折矯正手術を受ける場合には、様々な種類の手術の中から選ぶことになります。インターネットで調べたり、実際に適応検査に行ってみて、医師に相談してみると良いです。

 

他にもレーシックやPRKに関連する記事を書いていますので、是非ご覧下さい。

 

もし、質問や不備があれば、コメントしていただければ幸いです。