【レーシック】アマリス1050とは?最新、最先端の屈折矯正手術を紹介

レーシックに使われるエキシマレーザーには様々な機種があります。

現在よく使われるものは、2000年頃のものから、2014年リリースのものまであります。

ここ10年は、どのレーザーも等しく性能が良く、より良い結果を得られると言われています。

しかし、それぞれに特徴があり、照射方法、照射速度、レーザーの一発の大きさなどに違いがあります。

今回は、新しいレーザーの中でも照射速度が最も速く、2014年にschwind社リリースされた、Amaris1050RSを紹介します。

アマリス1050RS

schwind社製アマリス1050RSは、アマリス750(2010年にリリース)の後継機種です。

 

Amarisシリーズの性能の比較

https://transprk.com.sg/equipment より

アイトラッキングの速度は、いずれも1050Hzです。

 

しかし、反応するのにかかる時間(reaction time)に違いがあります。amaris500E、750S、1050RSの順に、3ms、3ms、0ms(Latency-Free)となっています。(ms=ミリ秒)

 

照射速度は、amaris500E、750S、1050RSの順に、500Hz、750Hz、1050Hzです。

 

上記のように、Amaris1050RSの性能は、他の二つよりも高い性能を有しています。

 

特に、照射速度は、他社の最新のエキシマレーザーと比べても速いです。wavelight EX500(2011年リリース)や、Carl Zeiss Mel90(2014年リリース)、Technolas TENEO 317(2013年リリース)は500Hzです。

 

ただ、一発の切除量が異なるため、単純に倍の速度で矯正できるわけではありません。とはいえ、照射径6mmで近視1D(ディオプター)あたり1.3秒で矯正できるのは、EX500やMel90などと並んで世界最速です。

Amaris1050RSを使ったレーシックの動画

こちらは、Amaris1050RSとfemto LDV Z6を組み合わせたZレーシックです。

日本では、品川近視クリニックなどで上記の動画と同等の手術を受けることができます。

 

最先端の屈折矯正手術

こちらは、Amaris1050RSを使ったtransepithelial PRK(transPRK)です。角膜上皮の除去から角膜実質の切除までを一台のレーザーで行います。

 

amarisで行うtransPRKはsmart surfaceと呼ばれます。

transPRKの近視矯正時のプロファイル。schwind eye-tech-solutionsより。

 

レーシックとPRKの違いについては、こちらの記事をご覧下さい。

 

YouTubeでは、海外のtransPRKの動画が多く上がっていますが、日本ではあまり一般的ではありません。日本でもかつては行われていましたが、レーザーで角膜上皮を除去すると、痛みが強いことや、上皮が残ることで低矯正になるなどの問題で、ほとんど行われなくなりました。

 

しかし、レーザーの性能も上がり、そういった問題も解決されています。

 

レーザーを数十秒当てるだけのシンプルな手順ですが、角膜上皮や角膜実質を正確に除去できる性能の良いレーザーだからこそ、良い結果を出すことができます。ですから、手法自体は伝統的なtransPRKですが、Amaris1050RSを使う場合は、最新で最先端の屈折矯正手術だと言えます。

 

他の会社のレーザーでもtransPRKは可能ですが、アマリスは特にtransPRKを得意としています。

 

これまでレーシックで起こっていたフラップに起因するトラブルは、PRKでは起こりません。現在、安全性の高いPRKが見直されつつあるため、今後日本でも脚光を浴びるかもしれません。尚、筆者の私自身も、PRK手術を受けております。

 

老眼治療 プレスビーマックス

画像は冨田実アイクリニック銀座より。

 

アマリスは、角膜を多焦点面に仕上げ、老眼を治療する、「プレスビーマックス(PresbyMAX)」という手術が可能です。特に、最新のAmaris1050RSでは、矯正の精度も高くなっています。

 

レーシックだけでなく、smart surfaceでも、通常のPRKやLASEKでも可能です。

 

海外の論文を見ていると、結構な成果を出しているようです。ただ、角膜を多焦点面にすることで、多少コントラストが低下したり、夜間視力の低下の可能性はあります。現在の老眼治療は、ある程度は妥協が必要なため、神経質な方は注意しましょう。

 

検討している方は、多焦点コンタクトレンズなどで見え方をシミュレーションすると良いです。

まとめ

今回は、角膜屈折矯正手術用のエキシマレーザー「Amaris1050RS」を紹介しました。

 

2014年にリリースされた、エキシマレーザーの中ではかなり新しい機種で、性能も良いです。老眼治療「プレスビーマックス」にも対応しており、屈折矯正手術の治療の幅を広げています。

 

尚、他の会社の機種の性能も決して悪いわけではなく、それぞれに得意な術式、照射方法があるので、個々人の目にあったレーザーを選ぶと良いです。

 

私自身はwavelight EX500でPRK手術を受けましたが、昼も夜も非常に良く見えており、良いレーザーだったと思います。

 

他にも、エキシマレーザーに関する記事を書いていますので、屈折矯正手術を検討している方は是非ご覧下さい。

手術をイメージできるように、動画も頻繁に使うようにしております。参考になれば幸いです。