【レーシック】視力2.0は良い?悪い?

2021年3月25日

レーシックやPRK、有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)など、屈折矯正手術には様々な術式があります。

いずれも、視力1.0以上を狙うことが多いです。人によっては、2.0まで見えることもあります。眼鏡をかけても、視力2.0は出ないこともありますから、「世界が変わった」と感じる人が多いのも納得です。

ただ、必ずしも、2.0まで見えなければ失敗というわけではなく、逆に、2.0見えても遠視や乱視などの問題がある場合があります。

 

今回は、屈折矯正手術後の2.0という視力は、良いのか、悪いのかを考察していきます。

PRK手術を受けた体験を基に、この記事を書きました。

 

レーシックとPRKの違いについては、こちらの記事をご覧下さい。

 

視力2.0まで見える人の度数は?

視力2.0を出すには、目の度数が0に近い正視(一般的に±0.25D以内)であるか、軽度の遠視の場合です。※D=ディオプター:焦点距離(m)の逆数。近視はマイナス、遠視はプラスで表す。2m先に焦点が合う場合は、1÷2=0.5となり、-0.5Dとなる。

 

よく、レーシックで2.0まで見えるようになったという話をネットでよく見かけますが、コメント欄には、「遠視」や「過矯正」などのワードが並ぶことがあります。しかし、正視であれば2.0見えることはおかしくありません。完全な正視であれば、水晶体の調節無しで、無限遠に焦点が合います。ですから、2.0見えるからと、必ず遠視や過矯正であるわけではありません。

 

また、遠視=遠くがよく見える、と思われがちですが、水晶体の調節が無ければどこにもピントが合わない状態です。遠視の度数が弱ければ、調節により、無限遠に焦点を合わせることができます。そのため、軽度の遠視であれば、遠くはよく見えます。一方、中等度以上の遠視だと、遠くも見えづらくなります。遠視だから視力が良いのではなく、「正視だと遠方の視力が良いが、遠視でも遠方視力は良いこともある」の方が正しいと思います。

 

人によっては、正視や過矯正であっても1.0や1.2程度の視力の場合あります。ですから、視力検査の結果だけでは、過矯正かどうかは分かりません。度数(レフ値)を確認する必要があります。

オートレフラクトメーターの結果の見方についてはこちら。https://www2.medica.co.jp/topcontents/T240100.pdf

 

視力2.0は良い目?

私自身はPRK手術を受けて、視力2.0まで見えるようになりました。度数はほぼ0Dで、近くも遠くもよく見えます。デスクワークやスマホの操作においても、全く問題ありません。

30代ぐらいまでなら、視力2.0はかなり便利ではないかと思います。ただ、40代以降は老眼が進み、近くが見づらくなります。一方、近視の人は元々近くに焦点が合うため、老眼を認識しにくいです。近視だろうが、正視だろうが、遅かれ早かれ眼鏡が必要になります。

※正視の場合の目安。

ライフスタイルにもよりますが、正視であれば、視力2.0は良い目だと思います。

 

遠視の場合は、近くが見辛いことがあります。人によっては、気分が悪くなる場合もあります。視力検査でよく見えても、実生活で不便があれば、好ましくありません。視力2.0見えることによるデメリットはありませんが、遠視の影響で眼精疲労や不便があれば、それは遠視によるデメリットと言えます。

視力2.0のメリット

近くを見ることが多い現代では、2.0の視力が役立つことは少ないと言われることもありますが、結構役に立ちます。私が便利だと感じた場面を、3つ挙げてみました。

本棚の本や書類を探す時

本棚の本や書類、資料を探す際、近視の頃は本棚にへばり付いて探していました。なかなか見つからず、周りの人から、「〇〇の本なら目の前にあるよ」と言われて恥ずかしい思いをすることもありました。

 

しかし、視力2.0の今では、3〜5mも離れた場所から、目で追うだけで探せるようになりました。

デスクワークでは近くを見ることが多いですが、このような時にはかなり便利です。

運転がしやすくなった

運転しているときには、視力の重要性を強く感じます。0.7程度では、標識などが少しぼやけ、距離感も微妙です。また、離れた車のナンバーや、ドライバーの顔も見えづらいです。

 

一方、視力2.0では、道路の落ち葉一枚ですら見逃しません。

また、夜間の運転においても、遠くまでよく見えます。運転に対する(良い意味での)自信にも繋がるのではないかと思います。

周りの人の様子がよくわかる

仕事中などに、困っている人がいたり、しんどそうにしている人などがいれば、すぐに気付いて、駆けつけることができます。

視力が2.0もあると、離れた人でも表情がよくわかります。

また、パソコンの画面の内容もよく見えます。仕事と関係のないサイトを見ている人がいれば、一発で見つけられますw

まとめ

正視の視力2.0について、客観的に見た結論としては、若い人や、遠くを見ることが多い人にとっては「良い目」だと思います。

 

老眼を感じる人や、近くを見ることが多い人ほど、メリットは少なくなると思います。そのような人は、0.8〜1.2程度(度数では-0.25D〜-1.0D程度※)の視力で十分だと思います。

※度数と視力の関係には個人差があります。

 

私としては、視力2.0は便利ですが、敢えてそれにこだわる必要はないです。1.2や1.5でもよく見えますし、不便を感じることは少ないと考えられるからです。もし、この記事を読んでくれた方々が、屈折矯正手術で視力を選ぶ際に、0.8や1.0を選んだとしても、その人のライフスタイルに合っているのなら、最高に「良い目」であると思います