トマホークとは?

シリア攻撃で使われたトマホークですが、そもそもどんな兵器なのでしょう。

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トマホークの起源には幾つかの説がありますが、もっとも有力と考えられているのは、第一次戦略兵器制限条約(SALT1)調印(1972年)に前後して行われたアメリカ海軍の研究です。                                                    Wikipediaによれば、「当時の国家安全保障問題担当大統領補佐官であったヘンリー・キッシンジャーは、SALT Iによって生じる制約の影響を最小限にとどめるべく、条約交渉では検討されなかったタイプの核兵器運搬手段の研究を国防総省に命じた。海軍が中心になって進められた研究の結果は、本質的には無人の有翼航空機である巡航ミサイルであれば、条約違反を犯すことなく、しかも極めて効果的であるとの結論であった。」と書かれています。

 要するに第一次戦略兵器制限条約により、互いの核兵器の数を制限、および軍備制限されるため、その条約に違反しない兵器である巡航ミサイル(トマホークは巡航ミサイルの一つ)を製造したのです。条約に違反しない上、戦略的にも効果的であったのです。

そして、1980年から対地・対艦攻撃用の兵装として前線に配備され始めました。トマホークは使用する目標によって主に二種類あり、対艦攻撃用、対地攻撃用に分類されます。

標的を追う方法は、敵艦艇の発する電波を探知するパッシブ式とトマホーク自体に内蔵されたレーダーで探索するアクティブ式を併用します。対艦攻撃用のトマホークは射程460km以上ありますが、1発あたりの価格が1億5000万円以上するため、現在は使用されていません。


対地攻撃用のトマホークは様々なバージョンがありますが、最新のタクティカル・トマホークは射程がなんと3000kmもあります。タクティカル・トマホークは部品の見直しなどで1発あたりおよそ7000万円という価格になっています。その他のバージョンは1,200~2,500kmの射程距離となっています。


​何故夜に撃つのか?                               ​トマホークはミサイルとしては比較的ゆっくりな、音速より遅い速度で飛ぶので、比較的迎撃されやすいです。そのため、少しでも見つかりにくい夜間に飛ばすことが多いのです。

 

威力は?                                                                        かつては核兵器を搭載するタイプもありましたが、現在は引退しています。現在運用されている対地攻撃型の中には通常弾頭の他に戦車や装甲車などの車両を広範囲で破壊するために小型の爆弾を100個以上内蔵したものもあります。多数ばら撒くことによって、広範囲にダメージを与えます。また、徹甲弾を搭載したタイプであれば、地下の施設や、艦船に対しても甚大な被害を与えます。また、使用する際はシリア攻撃を見ればわかりますが、50発、100発も撃ち込むわけですから、破壊力は相当なものとなります。

アメリカにしてみれば、トマホークは手軽な武器なのでしょう。比較的安価で性能も良いです。しかし、1発で7000万円も飛んでしまいす。100発であれば70億円です。シリアが化学兵器をほんとに使用したならば、何らかの対応は必要ですが、関係の無い市民も巻き込まれる可能性もあるわけです。我々は、これらのこともよく考えるべきでしょう。

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