杉はなぜ増え過ぎたのか? 原因と対策
何故スギが増加した?
元々スギは育てやすく、成長が早く、建築資材としてのニーズが高いです。戦後、木材需要の高まりに応えるべく、国が積極的な造林が進めてきたことが背景にあります。
しかし、増加したまま誰も手入れせず、間伐や伐採が行われないまま、ただ花粉を出し続けるだけになったのです。というのも(木材の輸入自由化で)海外産の木の方が安かったので、需要はそちらに流れ、結果的に林業を行う人が減ったからです。本来ならば、ある程度の大きさになれば伐採して木材にするのです。それらを放っておいて植林だけを続けた結果、増えすぎてしまったのです。
植林することによって木が増えれば、CO2の増加を抑制したり、土砂崩れを防止したりします。先に述べたように杉は育てやすく、成長が早いので即戦力となります。その結果、スギが大量に植えられているのです。
300億本!?
日本の森林面積が2515万ヘクタール、うち41%が人工林となっています。つまり、日本でスギやヒノキが植わっている面積はざっと1031万ヘクタールです。1ヘクタールあたり、だいたい3000本程度の植林がなされているとすると、人工林の本数は、なんと30930000000本になります。このおよそ300億本のスギやヒノキが花粉を飛ばすと思うと、おぞましいですね。そりゃ花粉症の人が増えますよね。
しかし、この数ではそうそう簡単に伐採できません。職人でも、一日に200本程度しか切れません(十分多いが…)。さらに、切った木を運び出す手間もかかります。そして、伐採は危険を伴います。大きな木がまともに倒れてきて下敷きになれば、命の危険もあります。そのため、そうそう簡単には減らすことができません。人間の方が、花粉を克服する必要があるようです。花粉症の治療法についてはこちらhttps://www.mantiscentipede.work/category/26977610-1.html
林業の衰退
林業を行う人が減少しております。そのせいで、手入れが行き届かなくなり、荒れた杉林が増えてしまいます。荒れてしまうと、木材としての質が低下します。本来なら間伐すべき木を、放ったままにすることで木が栄養を取り合ってしまいます。そうなると、木があまり大きく成長せず、曲がったり、貧弱になります。また、雑草などもそのままにしていると、ますます木は使い物にならなくなります。そのため、増えすぎであれば切れば良いという問題ではないのです。
花粉を出さなくする菌?
しかし、花粉を出さないようにすることはできます!
薬を使ったり、菌を使って花粉を出さないようにできます。また、花粉を出さない品種もあるとのことです。
シドウイア・ジャポニカという菌を使えば、花粉を出す雄株のみを枯らすことができると言われています。
この問題に関しては、国が取り組んでくれないとどうしようもありません。個人で出来ることは、この問題を出来るだけ多くの人に知らせ、行政に訴えかけることです。
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