エキノコックス 土を触るだけで感染? 恐怖の寄生虫
特に、北海道在住者や旅行する方が注意すべき寄生虫は、エキノコックスです。
というのも、北海道のキタキツネの感染率は60%とも言われております。北海道で飼育されているイヌの1%が感染しているという報告もあるため要注意です。
キタキツネ
恐ろしい寄生虫 エキノコックス
エキノコックスによる症状は恐ろしいです。まず、体内に発生した嚢胞は緩慢に増大し、周囲の臓器を圧迫します。
多包虫病巣の拡大は極めてゆっくりで、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱や腹水貯留などの初期症状が現れるまで、成人では通常10年以上を要するとされています。 しかし、放置すると約半年で腹水が貯留し、やがて死に至るのです。
じわじわと体をむしばんでいく、恐ろしい寄生虫です。
生息地は北海道だけではない
日本では北海道だけに存在すると考えられてきましたが、2005年には埼玉県で捕獲された犬の糞便から、2014年4月には愛知県知多半島で捕獲された犬からエキノコックスの虫卵が確認されました。
これらのキタキツネやイヌの糞便に含まれる虫卵が、何らかの経路でヒトの体内に侵入して感染します。
犬はほとんどの場合、感染していても症状が現れない「不顕性感染」です。感染した野ネズミを食べたり、口にくわえたりすることで虫卵が体内に侵入し、感染します。感染した犬は、糞便中にたくさんの虫卵を排泄します。
そのため、野ネズミと犬が接触しないように注意しましょう。
尚、人と同じ中間宿主であるため、ネズミから人へは感染しません。
侵入経路は、キタキツネやイヌの糞便に直接触れたり、それらの動物の糞便が付着した草木や土からも感染する場合があります。
先程も述べたように、エキノコックスはヒトの体内で幼虫となり、主に肝臓に寄生しますが、5~10年は無症状のままです。そのため、知らず知らずに進行してしまうのです。
その後、嚢胞が大きくなるにつれて、肝臓内の胆管や血管が塞がれ、肝機能障害が進みます。末期には重度の肝機能不全となり、発育中の嚢胞の一部が破れ、多包条虫が血流に乗って肺や脳、骨髄など、さまざまな臓器に転移します。
末期には重度の肝機能不全となり、放置すると90%以上が死亡します。
患部の摘出が唯一の根治療法ですが、症状が出現した段階では取りきれない状態になっている事がほとんどです。北海道では、キタキツネと接触しないこと、土や草木などに触れたら手を十分に洗う等が重要です。
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