ツチブタ まるで歩く掘削機!?
今までに動物園で見た動物の中で、珍獣の中の珍獣と言える動物は、ツチブタでしょう。
図鑑などでもよく珍獣として紹介されています。
画像はhttps://pz-garden.stardust31.com/kansi-yokusyu-kuzira-moku/tutibuta.htmlより
ツチブタとは?
豚でもウサギでもない?
鋭い爪、ウサギのような長い耳、ブタのような丸い鼻という、もはや何かよくわからない動物です。また、シロアリやアリなどを食べますが、アリクイでもありません。
その不思議な姿の珍獣ツチブタは、南アフリカの乾燥地帯に生息します。
ツチブタは、ツチブタ目、ツチブタ科、ツチブタ属それぞれ唯一の現生種なのです!
ブタと付きますが、全く豚ではありません。
全長100–160cm、尾長44–71cm、肩高60–65cm、体重60–65kg。全身は黄みを帯びた灰色の粗い体毛で覆われています。頭部や尾は淡灰色や淡黄色の体毛で覆われています。
前肢に4本の指、後肢に5本の趾があります。爪は長く、スプーン状になり外縁は鋭いです。この爪を備えた肢端は極めて掘削に適化しており、土砂を砕きながら後方へと蹴り飛ばします。
その能力は非常に優れており、地面を1m掘るのにわずか5分しかかかりません。
生態
生態は長らく謎だらけでしたが、徐々に解明されてきています。
サバンナや開けた森林等に生息し、群れは形成せず単独で生活します。夜行性で、地面に掘った巣穴の中で休みます。
外敵は、ライオンやチーターヒョウなどで、人によって狩られる場合もあります。
危険が迫ると、素早く穴を掘って身を隠しますが、追い詰められたりすると後足で立って前足を使って叩いたり、丈夫な爪を使って攻撃したりします。
出産などに用いられる巣穴とは別に、行動圏内には臨時の際に避難場所となる巣穴をいくつも掘ります。一晩に2–5kmの距離を歩いて獲物を探し、30kmもの距離を歩いた例もあります。
食性は動物食で、主にアリやシロアリを食べます。嗅覚と聴覚を頼りに獲物を探すと考えられています。前肢で固い蟻塚を破壊したり地面を掘り返し、長い舌を伸ばして獲物を捕食します。
寿命は雌雄共に2年程で成熟し、野生での寿命は15年程度、飼育下では20年程度と考えられています。
大きな爪で固いアリ塚を壊したり、長い舌でシロアリを舐めとったり、1m掘るのにわずか5分という掘削能力は珍獣にとてもふさわしいですね。
ツチブタのいる動物園
全国でツチブタのいる動物園は5つで、上野動物園(東京都)、日本平動物園(静岡県)、豊橋総合動植物園(愛知県)、東山動物園(愛知県)、姫路動物園(兵庫県)です。
こちらは、ツチブタの赤ちゃんが土を掘る動画です。可愛いですね。赤ちゃんながらも立派に土を掘るのは、生まれ持った本能なのでしょうね。
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